今回はデイケア(通所リハビリ)での働き方についてまとめた記事となります。
✓記事の対象者
・デイケアに興味がある
・1日の流れを知りたい!
・リハビリ以外の仕事内容を知りたい!
・デイサービスとの違いを知りたい!
デイケア(通所リハビリ)は急性期や回復期、訪問リハビリとは違った働き方になるため、未経験で転職を考えている方からは不安な声が聞かれます。
そこで今回は、デイケアで週2回働いている現役作業療法士が、デイケアの1日の流れと主な仕事内容について紹介していきたいと思います。
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デイケア(通所リハビリ)の1日
①出勤・準備・送迎【8:30〜9:30】
デイケアの1日は送迎から始まります。施設によってはリハビリスタッフも運転、添乗をして利用者さんを迎えにいきます。

施設によっては運転免許が必須なところもあるよ!
送迎に出ないスタッフは、塗り絵や脳トレなどのプリント用意や午前中の入浴準備に取りかかります。
②バイタル測定・朝の喫茶【9:30〜10:00】
施設に到着後、バイタル(体温、血圧測定、脈拍)測定を実施。
飲み物を提供している所が多く、お茶やコーヒー、紅茶等、お好きなものを伺います。とろみが必要な利用者さんもいるため、事故がないように注意が必要です。
家族とやり取りをする「連絡ノート」を利用している施設は、朝のうちに家族からのメッセージを確認します。
③個別・集団リハビリ【10:00〜12:00】
リハスタッフや利用者さんの人数により、個別・集団どちらで対応するか変わってきます。施設ごとに方針が違うため、事前に確認しておきましょう。
〇個別リハビリの場合
一人ずつ訓練室へ誘導しリハビリを実施します。利用者さんの人数により変わりますが、一人当たり約20分間(1単位)運動やストレッチ、徒手療法を行います。
〇集団リハビリの場合
約3人ずつ訓練室へ誘導しリハビリを実施します。集団で体操する時もあれば、施設にあるマシンを各々が利用する時もあります。約1時間(1人あたり1単位)で次の組へと交代します。

デイケアとデイサービスの違いがわからないんだよね。

一番の違いはリハビリがあるか、無いかだね!
デイサービスでは生活の支援や交流に趣を置いているから、リハビリは無いよ!
PTやOTといったリハビリ職自体、基本的にいないんだ。
リハビリ以外の時間は、塗り絵や計算問題、朝の集団体操をしながら午前中を過ごします。介護福祉士の方が活動司会やトイレ誘導を担っており、人手不足の場合はリハスタッフも手助けします。
また、デイケアでは入浴がある施設も多いです。午前、午後のどちらで入るのかを把握し、空いてるいる時間帯でリハビリに誘導します。
④配膳・食事介助【12:00〜13:00】
12時頃から食事前の嚥下体操が始まります。介護福祉士やSTが担いますが、YouTubeにある動画を流している施設も多いです。
嚥下体操後、食事設定を確認しながら配膳していきます。リハスタッフはここで休憩に入ることが多いです。
食事介助が必要な利用者さんにはOT,STが介入しています。食具の検討や食形態なども同時に評価します。
⑤食後の喫茶・口腔ケア【13:00〜13:30】
食事が終わった方から、食後の1杯をお出しし、口腔ケアへと進みます。
洗面台は限られているため、効率よく順番を回していく必要があります。リハビリスタッフは洗面台への誘導やトイレ誘導など、介護福祉士や看護師の指示に従い動きます。
⑥個別・集団リハビリ/レクリエーション【13:30〜14:30】
午後の部が始まります。
午前中にリハビリができなかった方を訓練室へと誘導し、個別・集団リハビリを実施していきます。
この時間にレクリエーションをおこなう施設が多いです。手工芸や脳トレ、カラオケ、園芸など季節に応じたイベントや誕生日会を実施しています。
デイケアには他者との交流や社会参加を目的とされている利用者さんもいます。施設によれば、リハスタッフが主体的にレクリエーションを行うこともありますので、事前に確認しておきましょう。
⑦おやつ・午後の喫茶【14:30〜15:00】
レクリエーション後、おやつの時間になります。配膳や食事介助などでリハスタッフもお手伝いします。
この時間に帰宅前のトイレを誘導することが多く、フロアは慌ただしくなります。
⑧帰宅準備・送迎【15:00〜16:00】
連絡帳の記載、荷物の確認をおこない、順番に家まで送迎していきます。朝と同様にリハスタッフも送迎車に乗り、運転・添乗します。
リハビリの中で気になったことがあれば、連絡帳に記載したり、送迎時に家族に伝達しています。
⑨片付け・ミーティング【16:00〜17:00】
利用者さんが帰った後、フロアの片付けとなります。ベッドシーツの交換、机椅子の配置の整理、トイレ掃除など、リハスタッフも協力して行います。
ミーティングでは1日を振り返り、設定変更が必要な利用者さんはいないか、共有事項はないかを話し合います。
歩行や食事設定ではリハスタッフの見解が重要になってきます。今ではデイケアもリハスタッフが手薄な状態になっているため、不安な方は先輩のいる職場を選びましょう。
⑩記録・書類整理【17:00〜17:30】
リハビリの記録や書類整理を行います。業務に慣れてくると定時で帰宅することも可能です。
介護福祉士や看護師と密に関わる仕事内容であり、送迎や食事・トイレ介助などリハビリ以外の仕事内容も増えてくるのがデイケア(通所リハビリ)の特徴です。
急性期や回復期と違い、利用者さんとは長期的な関わりになってきます。大きな変化は少ないですが、少しずつ変化していく過程を見ていきたい方にはおすすめです。
書類作成やカンファレンスの様子を知りたい方へ
リハビリ以外の重要な仕事内容として以下があげられます。
・電話対応
・カンファレンス
・書類作成
・サービス担当者会議
・照会文作成
・スケジュール調整
・申し送り作成
・営業
これらについては、先ほど紹介した訪リハの記事で詳しく記載しています。通所リハビリでも必要になってくる仕事内容であるため、気になる方はチェックしておきましょう。
まとめ
今回はデイケア(通所リハビリ)の1日の流れと仕事内容についてまとめました。
施設によって若干異なりますが、今回紹介したものが一般的なスケジュールとなっています。働きたい職場がどういった感じなのか、見比べながら確認すると良いでしょう。
デイケアで1年以上働いていますが、ものすごく楽しいです。医療というよりは生活に近い支援になり、利用者さんのことを深く知り、生活全体をサポートしていけるため勉強にもなります。家族やケアマネ、福祉用具業者など、多職種・他事業所との関わりも増えてくるため慣れるまでは大変ですが、地域に深く関われる生活期のリハビリは魅力満載です。気になる方はぜひ一歩踏み出してみてください!