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「人前に出ると、頭が真っ白になる」
「声が震えて、思うように話せない」
「手の震えが止まらない」
そんな経験、ありませんか?
あがり症は、決して特別な人だけの悩みではありません。
多くの人が、プレゼン・会議・面接・スピーチなどの場面で、心と体のコントロールがきかなくなることに悩んでいます。
あがり症は「性格」ではなく「状態」です。
その状態は、正しい知識とアプローチを知ることで、必ず変えていくことができます。
本記事では、あがり症で長く苦しんだ私が、あがり症を克服するための方法を、「心・体・環境・習慣」という4つの視点から、対応策と体験談をそれぞれまとめました。
読み終える頃には、「あがりやすい自分」に悩み責めるのではなく、「対応できる自分」へと変えていける道筋が見えてくるでしょう。
✓この記事の対象者
・プレゼンや会議でうまく話せない方
・あがり症を克服したいが、どうすればいいかわからない方
・あがり症を自分の性格の欠点だと感じている方
1.内面アプローチ

心、思考、価値観、精神、感情に働きかける方法です。
1ー1.完璧主義からの脱却
ミスを許容できず、物事に対して高い水準を設け、完璧な結果や状態を追求してしまう傾向を完璧主義といいます。
完璧主義は高い品質の成果を生み出すことができる可能性を秘めていますが、完璧でない結果に対する恐怖心がストレスや不安の増加へと繋がっています。
全てを完璧にこなそうとするほどプレッシャーが高まり、声や手の震えなどの症状が出現してくるのです。
これらの脱却方法は
①80点主義になる
完璧ではなく「まぁ良い」結果を目指す。
②失敗の受容
ミスは貴重な学びの機会。失敗こそが成長の道。
③優先順位の明確化
完璧を求める場面とそうでない場面を分けて考えよう。会議やスピーチなどは「伝われば」何でもOK!
完璧主義は適度であれば強みになりますが、過度になると自分の心身へ過度に負担をかけることになります。「ミスは当たり前」の前提で動いていきましょう。
1ー2.思考のクセを見直す
あがり症の対策として有名な「思考のクセを見直す」認知行動療法(CBT)です。
緊張や不安を引き起こす思考パターン「認知の歪み」を特定し、それを修正することで症状を軽減していく方法となります。
このような思考のクセを持っていませんか?
①全か無か思考
完璧に話さないと全てがダメになってしまう。
②過度な一般化
1度失敗したから次もまた失敗するだろう。この分野はもうだめだ。
③破滅的思考
人前で話すと絶対に恥をかいてしまう。目立つようなことはしてはいけない。
④悲劇のヒロイン思考
みんなが私を批判している、みんなが私を嫌っていじめている。
これらの思考は不安や緊張を増長させ、あがり症の悪化に繋がります。
次に、この思考のクセを特定し修正する「認知行動療法」の手法についてお伝えします。
✓認知行動療法(CBT)
①思考のクセを特定
プレゼンやスピーチなど緊張する場面を思い出し、その時に頭に浮かんだ考えをノートや携帯のメモに書き出しましょう。
(例)「失敗して笑われたらどうしよう。変な空気が流れたら嫌だな」
②思考のクセを検証
書き出した思考は事実に基づいているのか?自問自答をして、客観的に検討しましょう。
(例)「本当に全員が笑う証拠はあるか?過去に失敗しても大丈夫だった時はないか?」
③現実的な思考へシフト
偏った思考のクセをバランスのとれた現実的な思考に置き換えましょう。
(例)「失敗してもほとんどの人は気にしない。明日には忘れている」
④反復練習
思考のクセを修正し、新たな思考を習慣化するには繰り返しの実践が必要です。日記や携帯のメモ機能を使い、緊張する場面ごとに思考を記録・修正する習慣をつけていきましょう。
1ー3.自己肯定感を高める
自己肯定感が高まることであがり症の影響を減らすことができます。下記に主な具体例を紹介します。
①成功体験を振り返る
成功体験は脳に「自分はできる」という感覚を植え付け、自己肯定感の強化に繋がります。日常で小さな成功体験を積み重ね、達成するたびに声に出して自分を褒めましょう。
※失敗しても大丈夫と思えるくらい小さな課題を設定しましょう。→(例)上司には自分から挨拶をする。
②ポジティブな自己対話
自己対話は感情や行動に大きな影響を与えます。
「失敗したらどうしよう」ではなく「挑戦した自分はすごい」「私は緊張してもちゃんとやれる」と肯定的な言葉で自己対話し、脳へプログラムしていきましょう。
私は「他人から完璧に思われたい」完璧主義です。学生時代に丸暗記した演説で大成功した経験から、こういったことは「得意」だと認識していましたが、社会人になり、責任を伴うプレゼンや会議でミスを連発。ミスをしたら恥ずかしいと思うようになり、私のあがり症はますますひどくなっていました。
そこで取り組んだのが「思考のクセを見直すこと」です。極端に偏った捉え方をしていないか?本当にミスはいけないことなのか?なぜ完璧でないとだめなのか?これらを見直すことは私の思考、価値観(内面)を変えるきっかけとなりました。
今では1つの合言葉を心にかけてあげることで、リラックスしてプレゼンや会議に望むことができています。その合言葉とは「ミス?問題ない。誰も見てない聞いていない。」です。
2.外面アプローチ

行動や習慣、外見、姿勢など、目に見えるものから変えていく手法です。
2ー1.場数を踏む
実践の積み重ねは「慣れ」を生み出し、緊張からの解放へと繋がります。
人前で話す機会を意識的に増やし、小さな緊張場面から徐々に規模を大きくしていきましょう。繰り返し経験することで、緊張のピークが下がり、自信が身についてきます。
(例)友人との会話→少人数のプレゼン→上司の前で発表
✓段階的エクスポージャー
心理学や精神療法の分野で用いられる技法。患者が恐怖や不安を感じる対象や状況に少しずつ慣れていくことを目的とされており、過度なストレスを与えず、患者が恐怖反応を克服できるように段階的にアプローチをしていきます。
2ー2.呼吸法とリラクゼーション
緊張時は身体の反応をコントロールすることで、メンタルの安定に繋がっていきます。下記に主な手法をご紹介します。
①腹式呼吸
お腹を意識的に動かし、深く呼吸する方法。鼻からゆっくり息を吸い(4秒程度)お腹を膨らませ、口または鼻からゆっくり息を吐いて(6〜8秒程度)お腹をへこませる。
②4ー7ー8呼吸法
鼻から静かに4秒かけて息を吸い、7秒間息を止め、口から「シュー」と音を立てながら8秒かけてゆっくりと息を吐き切る呼吸法。
アメリカの医師アンドルー・ワイル博士が提唱したテクニックで、あがり症の急な緊張に有効。
③筋弛緩法
体の各部位(手や肩)に息を吸いながら意識的に力を入れて、息を吐きながらゆっくりと緩める。(例)壇上に立つ前に、両手をポケットや背中で5秒軽く握って、10秒かけて緩めるを繰り返す。
2ー3.話す技術を学ぶ
話し方やプレゼンの技術を学ぶことで「準備できてる」という安心感が生まれ、あがり症対策にも有効です。
主な学び方は本やYouTubeが手軽でおすすめです。下記に代表的な方法をお伝えします。
①話す速度と間
緊張すると誰しも早口になりやすいため、ゆっくり話すことを意識しましょう。重要なポイントの後に1〜2秒沈黙することで、聞き手が内容を消化し、話者に余裕が生まれます。
(例)「この製品の特徴としては大きく3つ。(2秒沈黙)1つ...」
②自己録画
スマホで模擬プレゼンを録り、声の大きさや話す速度、緊張時のクセを確認する手法です。本やYouTubeで学んだ知識を取り入れて、自分を客観視しながら修正していきましょう。
③プレゼンの構成
短時間で要点を伝えたい場合は「PREP法」がおすすめです。面接やプレゼン、報告や提案など様々な場面で活用されています。
1.まずPoint(結論)を出し、
2.そのReason(理由)を説明。
3.具体的なExample(例)でイメージを沸かせ
4.再度、Point(結論)で締めくくる。
(例)①この提案を取り入れるべきです。②なぜならコストが低く、人件費も抑えられるからです。③最近では○○社が取り入れて成功した事例があります。④そのためこの提案を採用するべきです。
私はあがり症克服のために、本をたくさん読みました。インプットした情報を家族や友人の前で試し、上手くいったものをプレゼンや会議の場で活用することで、小さな成功体験を収めていました。発表前は呼吸法も取り入れていましたが、自信を持って発表できるようになったのは、プレゼンの技術や構成力、話し方を本で学んだからです。下記に紹介しているので気になる方はチェックしてみてください。
3.環境設定

緊張しやすい場面や状況を見直すこともあがり症対策として重要です。ここではあがりやすさを左右する「環境」の整え方について紹介します。
3ー1.徹底的な準備
不確定要素から生まれる不安や緊張を減らすためには徹底的な準備とリハーサルが必要です。
事前に話す内容を整理し、スライドやメモを完成させ、実際の発表を模擬的に繰り返して行いましょう。リハーサルすることで、話し方やタイミング、声のトーンを調整でき、本番での緊張を抑えることができます。
✓具体例
①原稿を何度も声に出して練習する。
②鏡の前や友人、カメラの前で模擬発表を行う。
③想定質問に対する回答を準備する。
④本番と同じ環境(立ち位置や時間制限)を意識してリハーサルを行う。
「準備不足→緊張→失敗体験→自信喪失」こういった流れにならないように、準備に時間をかけて取り組みましょう。
3ー2.場合コントロール
会場、聴衆、設備などを事前に把握し、可能であれば、立ち位置、距離、照明、温度など自分が話しやすい環境を事前に整えておきましょう。
話す場の下見をしたり、聴取席に座って自分が発表している姿を想像するのも効果的です。
✓その他おすすめな方法
・聴衆の規模や雰囲気を把握し、軽い交流などで親しみやすい空気を作る。
・日頃からのコミュニケーションで信頼出来る人間関係を築き上げ、見られる不安を軽減する。
・本番前に会場でリハーサルを行う。
3ー3.サポートの活用
誰かに相談することで客観的な視点を手に入れることができ、不安の解消に繋がります。主なサポートを下記に紹介します。
①家族や友人
信頼できる家族や友人は自分の身近にいるサポーターです。思い切って不安や緊張を打ち明けることで、精神的な安心感が得られ、悩みの解決にも繋がります。
②専門家の支援
医療的なサポート(カウンセラーや心理療法士)を活用し、あがり症の根本的な原因に対処していくのも有効です。
③グループ参加
同じ悩みを持つ人々が集まるグループに参加することで、共感や実践的な対処法を学ぶことができます。あがり症をテーマにしたプラットフォームはネットにいくつかありますので、気になったものに参加してみましょう。
サポートの活用は、安心感を提供し、緊張を軽減する環境を整える鍵となります。信頼できる人や専門家との連携を積極的に取り入れ、徐々に自信を築き上げていきましょう。
職場の会議では「苦手な人」がいるだけで緊張してしまうものです。そのため日頃からコミュニケーションを取り、話しやすい人たちを増やしていくことで、会議を安楽に進めれるように意識しています。また、職場以外の発表では事前準備に時間をかけ、会場の場所や人数、聴者の層を事前に把握するように務めてます。当日の様子をなるべくリアルに頭に思い浮かべ、何度もシュミレーションするのが自分にとって効果のあるやり方です。
4.習慣づくり

あがり症は一朝一夕に改善するものではありません。しかし、毎日の小さな積み重ねが、確実に自信と落ち着きを育ててくれます。ここでは、あがりにくい自分を作るための習慣づくりに焦点を当てていきます。
4ー1.日記をつける
あがり症の原因となる不安や緊張のきっかけを振り返り、客観的に分析する方法として日記はおすすめです。
✓主なメリット
・自分の感情や思考のパターンを理解することで、不安をコントロールしやすくなる。
・成功体験や小さな進歩を記録することで、自己肯定感が高まり、緊張する場面での自信に繋がる。
・ネガティブな思考を書き出し、ポジティブな視点に置き換える練習が出来る。
毎日数分、数行でOK!その日に感じた緊張や不安、または上手くいった出来事を簡潔に書きましょう。過度に完璧を目指さず、気軽に続けることが重要です。紙でもデジタルでも、自分が続けやすい方を選択し、定期的に見返すことで、成長や変化を実感することができるでしょう。
4ー2.健康的な生活習慣
十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動はメンタル安定のベースです。健康な身体は心の安定に直結し、緊張や不安による身体症状を軽減してくれます。
✓具体例
①毎晩7〜8時間の質の良い睡眠を確保。
②バランスの良い食事を心がけ、血糖値の急激な変動を避ける。
③カフェインやアルコールを控えめにし、ナッツや緑黄色野菜などのビタミンB群やマグネシウムを摂取。
④週3〜5回のウォーキングやヨガ、ストレッチなどの適度な運動。
⑤寝る前のスマホ使用を避け、音楽やアロマなどでリラックスできる環境を整える。
小さいことから始め、ルーティン化することでストレスへの耐性が徐々に向上していきます。無理のない範囲で自分のペースで続けていきましょう。
私は毎日日記をつけ始めてから半年が経ちました。何気ない日々の記録が、今はではメンタルの安定に繋がっていることを実感しています。残念なことが多い1日だったとしても、なるべく自分を褒めるようにポジティブな日記を書き続けたことで、自己肯定感は上がり、自信となって身についています。これからも日記を書き続けて、自分とポジティブに対話していきます。
5.まとめ
今回はあがり症を治すための4つのアプローチについて紹介しました。
①内面アプローチでは
・完璧主義から脱却すること
・思考のクセを見直すこと
・自己肯定感を高めること
②外面アプローチでは
・場数を踏むこと
・呼吸法とリラクゼーション法を学ぶこと
・話す技術を学ぶこと
③環境設定では
・徹底的な準備
・場内をコントロールすること
・サポートを活用すること
④習慣作りでは
・日記をつける
・健康的な生活を送ること
どれもあがり症の改善に有効なものです。地道な努力が自信を生み出し、プレゼンや会議の場面で役に立つ力となります。取り組みやすいものから始め、来たる時のためにコツコツと準備していきましょう。